自ら発毛の毛髪診断士:阿部です。
今回は、女性の新たな症候群のFUS(女性低体重低栄養症候群)と女性の薄毛の関係性について解説します。
先日2025年4月16日に日本肥満学会が、新たな疾患概念の女性低体重低栄養症候群(FUS)に対して、警鐘を鳴らすステートメントを発表しました。
私が何度も訴えているカロリー不足によるエネルギー代謝不良が、薄毛だけでなく、貧血や月経周期異常や2型糖尿病、体力低下など、様々な症状を引き起こす社会問題として世の中に認識され始めたのです。
結論から言えば薄毛改善には育毛剤やサプリメントよりも、1日3食きちんと主食の炭水化物を抜かずに食べる事がかなり大事になります。
BMIが18.5㎏/㎡以下ならFUSに該当する可能性があります。まずは自分が痩せすぎていないか?を確認しましょう。また、体重が標準体重付近でBMIが22㎏/㎡程でも、摂取カロリーが全然足りずに、エネルギー不足になっている可能性があります。つまり、代謝が低下して脂肪によって体重が落ちない状態になっているんですね。この場合も薄毛になりやすいです。
では、なぜ低栄養だと薄毛になるか?を深掘りして解説します。まず、FUSに該当する症状からみて行きましょう。こちらは日本肥満学会が発表したFUSの症状です。

まずは単純に栄養不足ですが、髪の材料のタンパク質、そして髪を伸ばすエネルギー源の糖質、女性ホルモンなどの材料の脂質が不足すれば薄毛になるのは言わずもがなです。そして鉄不足による貧血もダイレクトに抜け毛につながります。
また、エネルギー不足になると視床下部と脳下垂体の機能が低下して、女性ホルモンが減少して脱毛します。
また、閉経後の女性であってもエネルギー不足になると甲状腺機能が低下して髪が脱毛します。なぜならミトコンドリアで髪を伸ばすエネルギーを作り出すためには、酸素とT3という甲状腺ホルモンが必要になるためです。糖質などの栄養不足に甲状腺ホルモン低下が合わさって、ミトコンドリアで髪を伸ばすのに必要なエネルギーが充分に作られない状態になってしまいます。
つぎに、「骨代謝の異常」は、骨がもろくなるということですが、これは毛根を支える頭皮のコラーゲンの減少につながり髪が脱毛します。甲状腺機能が低下すると、骨にカルシウムを留めておくカルシトニンというホルモンが低下するからです。コラーゲンの生成にはカルシウムが必要なんです。
また炭水化物を控える傾向性から食物繊維が不足して腸内環境が悪化します。そうなるとゆくゆくは食べても食べても太れない痩せの大食い体質になってしまいます。つまり、低栄養だからと言って食べていないわけではなく、食べても低栄養というパターンもありえるんです。このような状態をSIBO(小腸内細菌異常増殖症)やIBS(過敏性腸症候群)と言います。
他にも、少しの糖質で血糖値が爆上がりしてしまう、「耐糖能低下」や、悪玉コレステロールや中性脂肪が過剰になる「脂質異常症」は、毛根を酸化ダメージにさらすことになり脱毛します。もちろん糖新生も低栄養や低カロリーが根本原因になります。
また、糖質が不足すると脳が栄養不足になりメンタルが崩壊します。自律神経が乱れて睡眠不足で抜け毛が増加します。このように、低栄養、低カロリーの食習慣をきっかけに薄毛の原因の集合体のような体質になってしまうんです。
この話を理解すると、ミノキシジル内服薬を服用して血管を拡張して髪を生やす治療がどんなに小手先だけの治療法か?が分かりますよね。だから体毛しか生えなかったり、産毛しか生えなかったり、髪が増えても2年3年と服用したらまた毛量が減ったり、不安定な発毛になってしまうんです。
FUSだって要注意です。症候群と定義するからには必ず薬の処方がなされます。貧血なら鉄剤、月経周期異常ならピル、便秘には整腸剤、頭痛には頭痛薬、薬、薬、薬と、症状に合わせた薬を処方する医者はたくさんいても、根本対策の食事の改善法を教える事が出来る医者は少ないです。
一生薬漬けにならないためにも、このブログや阿部のYouTubeを参考にしてください。
薄毛対策の食事改善のポイントを解説した動画をYouTubeの再生リストにまとめています。もしかしたら自分はFUSかもとか、家族や友達でFUSに該当しそうな方がいたら、この再生リストのリンクを送ってあげてください。
サロンの公式YouTubeチャンネルでは毎週金曜日19時に薬を飲まない女性の薄毛改善について動画を更新していますので、まだの方はチャンネル登録の方もよろしくお願いします。今後も薄毛改善一緒に頑張って行きましょう。